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卒業後の働き方 — 一般就労と福祉的就労のちがい

特別支援学校や高校を卒業した後、どのような働き方の選択肢があるのか。 「一般就労」と「福祉的就労」の違い、それぞれの特徴を整理しました。

お子さんの状態や希望に合わせて、卒業前から見学・体験を重ねることが大切です。

4つの選択肢を比較

種別雇用契約賃金・工賃ひとことで
一般就労(障害者雇用枠)雇用契約あり最低賃金以上一般企業で働く
就労継続支援A型雇用契約あり最低賃金以上(平均月収 約8.7万円)福祉事業所で雇用契約を結んで働く
就労継続支援B型雇用契約なし工賃制(平均月収 約1.7万円)福祉事業所で自分のペースで働く
生活介護なし工賃は少額(支給されない場合もある)日中活動の場で、創作・生産活動や機能訓練を行う

一般就労(障害者雇用枠)

雇用契約: 雇用契約あり最低賃金以上

一般の企業に障害者雇用枠で就職します。給与は最低賃金以上で、社会保険にも加入します。企業には障害者雇用促進法により法定雇用率(2.5%、2026年7月から2.7%に引き上げ)が義務付けられており、障害のある方を積極的に採用する企業が増えています。

対象となる方
ある程度の就労能力があり、企業で継続的に働ける方

就労継続支援A型

雇用契約: 雇用契約あり最低賃金以上(平均月収 約8.7万円)

福祉サービスの事業所と雇用契約を結んで働きます。一般企業での就労が難しい方が対象です。最低賃金が保障されるため、一定の収入が得られます。仕事内容はデータ入力、清掃、カフェ運営など事業所によってさまざまです。

対象となる方
一般就労は難しいが、雇用契約のもとで継続的に働ける方

就労継続支援B型

雇用契約: 雇用契約なし工賃制(平均月収 約1.7万円)

雇用契約を結ばずに、自分の体調やペースに合わせて作業を行います。工賃(賃金ではなく作業の対価)が支払われますが、金額は少額です。作業内容は軽作業(袋詰め、組み立てなど)や農作業、手工芸品の製作など多岐にわたります。

対象となる方
体調の波があり、毎日決まった時間に働くことが難しい方。年齢や体力に制限のある方

生活介護

雇用契約: なし工賃は少額(支給されない場合もある)

常に介護を必要とする方に、日中の活動の場を提供するサービスです。入浴・排泄・食事等の介護に加えて、創作活動や生産活動の機会を提供します。働くことよりも日中の生活支援に重点が置かれています。

対象となる方
常時介護が必要な方(障害支援区分3以上。50歳以上は区分2以上)

就労移行支援とは?

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方のための訓練プログラムです。 上の4つの「働く場」とは異なり、原則2年間の期限付きで就職に必要なスキルを身につけます。

期間
原則2年間(必要に応じて最大1年延長可能)
内容
ビジネスマナー、パソコンスキル、職場実習、面接練習など
費用
多くの方が自己負担なし(世帯の所得に応じて月額0〜37,200円)
対象
65歳未満で一般就労を希望する方

就労移行支援を経て一般企業に就職した場合、最大3年間の「就労定着支援」を受けられます。 職場での困りごとを相談員がサポートしてくれるサービスです。

特別支援学校からの進路の実態

特別支援学校(高等部)の卒業生の進路は、以下のような割合になっています。

31.2%
企業就労
60.7%
福祉施設等
8.1%
その他

文部科学省「学校基本調査」(2024年度)

障害者雇用の法定雇用率

従業員が一定数以上の企業には、障害のある方を雇用する義務があります。 この割合を「法定雇用率」といいます。

現在(2024年4月〜)
民間企業: 2.5%(従業員40人以上の企業が対象)
2026年7月〜
民間企業: 2.7%(従業員37.5人以上の企業が対象)に引き上げ予定

法定雇用率の引き上げにより、障害のある方の雇用機会は拡大傾向にあります。 ハローワークの障害者専門窓口や、障害者就業・生活支援センターに相談すると、 企業とのマッチングをサポートしてもらえます。

就労定着支援 — 就職した後のサポート

一般就労した方が、職場に定着できるよう支援するサービスです。 就労移行支援等を利用して就職した方が対象で、最大3年間利用できます。 仕事上の悩み、生活リズム、体調管理など、働き続けるための課題を相談支援員が一緒に解決します。