児童発達支援と放課後等デイサービスの違い
児童発達支援と放課後等デイサービスは、どちらも障害のある子どもが通う福祉サービスですが、対象年齢やサービス内容が異なります。 ここでは、両者の違いを比較表で整理し、利用の流れや就学前後の切り替えについて解説します。
比較表
| 項目 | 児童発達支援 | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 未就学児(0〜6歳) | 就学児(6〜18歳) |
| 利用できる時期 | 小学校入学前まで | 小学校入学後〜高校卒業まで(18歳の年度末まで) |
| 主なサービス内容 | 個別療育、小集団での発達支援、親子通園、日常生活動作の訓練 | 集団活動、SST(ソーシャルスキルトレーニング)、学習支援、運動療育、余暇活動 |
| 利用頻度 | 週1〜5回(受給者証の支給日数による) | 週1〜5回(受給者証の支給日数による) |
| 利用時間帯 | 平日の日中(午前〜午後) | 放課後(14時〜17時頃)、休日・長期休暇は日中 |
| 費用(利用者負担) | 3〜5歳は幼児教育・保育の無償化により無料。0〜2歳は世帯年収に応じて月額0〜37,200円 | 世帯年収に応じて月額0〜37,200円(無償化の対象外) |
| 送迎 | 事業所による(親子通園の場合は送迎なし) | 多くの事業所で学校・自宅への送迎あり |
| 必要なもの | 通所受給者証 | 通所受給者証 |
| 手帳の要否 | 不要(医師の意見書等があれば利用可能) | 不要(医師の意見書等があれば利用可能) |
※ 利用者負担の上限月額は世帯年収により異なります。非課税世帯: 0円、約890万円未満: 4,600円、約890万円以上: 37,200円。
児童発達支援の特徴
個別療育が中心
子ども一人ひとりの発達段階に合わせた個別プログラムが基本です。言語聴覚士や作業療法士など専門職による個別指導を受けられる事業所もあります。
親子通園の形式が多い
特に低年齢のうちは、保護者が一緒に通って療育に参加する「親子通園」の形式をとる事業所が多くあります。保護者が家庭での関わり方を学ぶ機会にもなります。
保育園・幼稚園との並行通園
多くの家庭では、保育園や幼稚園に通いながら、週1〜2回児童発達支援に通うスタイルをとっています。
3〜5歳は無償化の対象
2019年10月から、3〜5歳の児童発達支援の利用者負担が無料になりました(幼児教育・保育の無償化)。おやつ代等の実費は別途かかります。
放課後等デイサービスの特徴
集団活動が中心
学校とは異なる環境で、同年代の子どもたちとの集団活動を通じて社会性を育てます。SST(ソーシャルスキルトレーニング)を取り入れている事業所が多くあります。
事業所の特色が多様
運動特化型、学習支援型、プログラミング教室型、音楽療法型など、事業所ごとに特色が大きく異なります。2024年の報酬改定で「総合支援型」と「特定プログラム特化型」に類型化されました。
放課後の居場所機能
療育だけでなく、学校が終わった後の安全な居場所としての役割もあります。夏休み等の長期休暇中も利用できます。
学校からの送迎がある
多くの事業所では、下校時に学校まで迎えに来てくれます。保護者が仕事をしている家庭でも利用しやすい仕組みです。
利用までの流れ(共通)
児童発達支援も放課後等デイサービスも、利用開始までの基本的な流れは同じです。 どちらも「通所受給者証」の取得が必要です。
1. 市区町村の窓口に相談
障害福祉課に「児童発達支援(または放課後等デイサービス)を利用したい」と相談します。利用の流れや地域の事業所情報を教えてもらえます。
2. 医師の意見書等を取得
手帳がない場合は、医師の診断書や意見書が必要です。かかりつけ医や発達外来で取得します。自治体によって必要書類は異なります。
3. 障害児支援利用計画案を作成
相談支援事業所に依頼するか、保護者自身で作成(セルフプラン)します。お子さんの状況と希望する支援内容を記載します。
4. 受給者証の申請・交付
市区町村に申請し、審査を経て「通所受給者証」が交付されます。利用できるサービスの種類と月間の支給日数が記載されます。
5. 事業所の見学・体験
複数の事業所を見学し、体験利用をしてから選びます。お子さん自身がその場に馴染めるかを確認してください。
6. 契約・利用開始
事業所と利用契約を結び、利用が始まります。個別支援計画が作成され、定期的に見直されます。
※ 受給者証の発行までの期間は自治体によって異なりますが、申請から2週間〜1か月程度が目安です。
併用・切り替えのタイミング
切り替えのタイミング
児童発達支援は就学前まで、放課後等デイサービスは就学後から利用できます。切り替えのタイミングは小学校入学時です。年長の秋〜冬頃から、放課後等デイサービスの事業所見学を始めておくとスムーズです。
年長児の併用
就学前の年長児は、児童発達支援を利用しながら、放課後等デイサービスの体験利用を行うことができます。入学後にスムーズに移行するために、事前に慣れておくことが有効です。
受給者証の変更
児童発達支援から放課後等デイサービスに移行する際は、受給者証のサービス種別を変更する手続きが必要です。入学前に市区町村の窓口で手続きしてください。
事業所の引き継ぎ
児童発達支援の事業所と放課後等デイサービスの事業所が異なる場合、支援内容の引き継ぎが重要です。児童発達支援の個別支援計画や発達の記録を、新しい事業所に共有してもらうよう依頼してください。
どちらを先に利用すべきか
発達の遅れや障害が早期に判明した場合は、未就学のうちから児童発達支援を利用することで、 就学前に基本的な生活スキルや社会性を身につける準備ができます。
就学後に困りごとが出てきた場合は、放課後等デイサービスから利用を始めることになります。 学校での困りごとがある場合は、担任やスクールカウンセラーにも相談した上で、事業所選びを進めてください。