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保育園・幼稚園の加配制度
加配(かはい)とは、障害のある子どもや特別な配慮が必要な子どもに対して、 追加の保育士や補助員を配置する制度です。 国の制度として統一された基準はなく、自治体ごとに運用が大きく異なります。
加配とは
通常の保育士配置基準(例: 4〜5歳児は25人に1人)に加えて、 障害のある子どもがいるクラスに追加で保育士や補助員を配置することを「加配」と呼びます。
加配保育士は、対象の子どもの見守りや個別の支援を行いながら、 クラス全体の保育にも参加します。1対1で常にそばにいるとは限りません。
自治体による違いが大きい制度です: 加配の基準・配置人数・申請方法・必要書類は自治体によって異なります。 必ずお住まいの市区町村に確認してください。
対象となる子ども
知的障害
療育手帳を持っている場合は対象になりやすい。手帳がなくても発達検査の結果等で認められる場合がある。
身体障害
身体障害者手帳を持っている場合。肢体不自由、視覚・聴覚障害など、保育場面で個別の配慮が必要なケース。
発達障害(ASD・ADHD等)
医師の診断書や意見書がある場合。集団行動が難しい、指示の理解が困難など、保育上の配慮が必要なケース。
グレーゾーン・診断未確定
自治体によっては、診断がなくても巡回相談や園の観察記録をもとに加配が認められる場合がある。ただし、対応は自治体により大きく異なる。
公立と私立の違い
一般的に、公立保育園の方が加配がつきやすい傾向があります。 私立の場合は園の方針や自治体の補助制度によって対応が分かれます。
| 比較項目 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 加配のつきやすさ | 比較的つきやすい | 園の方針や体制による |
| 費用負担 | 自治体が人件費を負担 | 自治体からの補助金+園の持ち出し |
| 加配の基準 | 自治体の要綱で明文化されていることが多い | 自治体の補助制度に準じるが、園の裁量も大きい |
| 受入れ体制 | 障害のある子の受入れ実績が多い傾向 | 園ごとに対応力に差がある |
申請の流れ
1
園に相談する
入園前・入園後どちらでも、まずは園に子どもの状況を伝え、加配の可能性を相談します。
2
自治体に申請する
園または保護者から市区町村の保育課等に加配の申請を行います。医師の診断書や意見書、発達検査の結果等が必要になることが多いです。
3
判定・審査
自治体の担当者や巡回相談員が園を訪問し、子どもの様子を観察する場合があります。必要性を総合的に判断します。
4
加配決定・配置
認められると、園に追加の保育士(または補助員)が配置されます。年度途中の申請は、人員確保の都合で翌年度からの配置になることもあります。
加配がつかない場合の代替手段
加配が認められなかった場合や、人員確保が難しく配置が遅れる場合でも、 以下の支援を活用できる可能性があります。
巡回相談
自治体の専門職(心理士・保育士等)が園を定期的に訪問し、保育士への助言や子どもの観察を行う制度。加配がつかなくても利用できることが多い。
保育所等訪問支援
児童福祉法に基づく障害福祉サービスの一つ。受給者証があれば利用でき、専門スタッフが園を訪問して子どもへの直接支援や園への助言を行う。
並行通園
保育園・幼稚園に通いながら、児童発達支援事業所にも通う方法。週に数回、療育を受けることで園での生活もサポートされる。
幼稚園の場合の特殊事情
幼稚園(特に私立幼稚園)の場合、加配制度の適用は保育園とは事情が異なります。
- 公立幼稚園: 自治体の制度に基づき加配がつく場合がある。ただし公立幼稚園自体が少ない地域も多い。
- 私立幼稚園: 受入れ体制は園によってまちまち。積極的に受け入れる園もあれば、対応が難しいと断られるケースもある。
- 私学助成: 私立幼稚園が障害のある子どもを受け入れる場合、都道府県や市区町村から補助金が出る制度がある。 ただし補助額が不十分で園の持ち出しが大きくなるため、受入れに消極的な園もある。
入園前に確認すべきこと: 加配の有無だけでなく、「実際にどのような支援が受けられるか」「過去に障害のある子どもを受け入れた実績があるか」を具体的に聞いておくことが重要です。
加配制度は自治体により大きく異なります
加配制度は国が統一的な基準を定めているわけではなく、 自治体の判断で運用されています。以下のような点が自治体ごとに異なります。
- ・加配が認められるための障害の基準(手帳の有無、診断書の要否)
- ・加配保育士1人あたりの担当児童数(1対1、1対2、1対3など)
- ・加配保育士の資格要件(保育士資格が必須か、補助員でもよいか)
- ・私立園への補助金の額と条件
お住まいの自治体の保育課・障害福祉課に問い合わせるか、 入園を検討している園に直接確認してください。