やさしい窓口障害のある子どもが利用できる制度・手当ガイド
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障害のある子の育児、お金はどれくらいかかる?

「うちの子、これからどれくらいお金がかかるんだろう?」と不安に思う方は多いはずです。 結論から言うと、公的制度を組み合わせれば、かなりの部分がカバーできます。 分野ごとに自己負担の目安と使える制度を整理しました。

療育(りょういく)にかかるお金

児童発達支援(じどうはったつしえん)や放課後等デイサービス(ほうかごとうでいさーびす)などの療育サービスは、 受給者証(じゅきゅうしゃしょう)があれば原則1割負担です。 さらに世帯の所得(しょとく)に応じて月額の上限が決まっています。

世帯の区分月額上限額
生活保護・住民税非課税世帯0円
住民税課税世帯(年収約890万円未満)4,600円
上記以外(年収約890万円以上)37,200円

ポイント: 3歳から5歳までの児童発達支援は「幼児教育・保育の無償化」の対象で、利用者負担は無料です。 どれだけ通っても自己負担はかかりません。

医療費

障害のある子どもの医療費は、複数の制度で軽減できます。

自立支援医療(じりつしえんいりょう)
特定の治療(精神科通院・身体障害の手術など)にかかる医療費が、3割負担から1割負担に軽減されます。 さらに所得に応じた月額上限もあります。
重度心身障害者(児)医療費助成
都道府県や市区町村の制度で、一定の等級以上の障害がある場合に医療費の自己負担を助成します。 自己負担がゼロになる自治体もあります。
小児慢性特定疾病(しょうにまんせいとくていしっぺい)医療費助成
特定の疾病で長期治療が必要な場合、医療費の自己負担が軽減されます。 対象疾病は約800疾病あり、18歳未満(条件を満たせば20歳未満)が対象です。

ポイント: これらの制度は併用できます。自立支援医療で1割負担になった上で、重度医療費助成でさらに軽減されるケースもあります。

教育費

障害のある子どもの教育費も、制度によって大きく軽減されます。

特別支援学校
授業料は無料(公立の場合)。さらに「特別支援教育就学奨励費(しゅうがくしょうれいひ)」として、 通学費・給食費・学用品費・修学旅行費などが所得に応じて補助されます。 全額支給の場合、実質的な自己負担はほとんどかかりません。
通信制高校・サポート校
高等学校等就学支援金で、公立は授業料が実質無料。私立も年間最大39万6,000円が支給されます。 サポート校の費用は別途かかりますが、年間30万〜80万円程度が目安です。
特別支援学級(公立小中学校)
授業料は無料。通常学級と同様に就学援助制度が使え、学用品費や給食費の補助を受けられます。

その他のかかるお金

補装具(ほそうぐ)
車椅子・補聴器・義足などは「補装具費支給制度」で原則1割負担。 世帯の所得に応じた上限額があり、住民税非課税世帯は自己負担なしです。
日常生活用具
特殊寝台や入浴補助具などは市区町村の「日常生活用具給付等事業」で給付・貸与されます。 自己負担は原則1割。品目や上限額は自治体によって異なります。
移動・交通
障害者手帳があれば、鉄道・バス・タクシーの割引、有料道路の割引、駐車場の減免などが利用できます。

使える手当のモデルケース

制度を活用すると、実際にどれくらいの手当を受け取れるのか、モデルケースで見てみましょう。

例: 年収500万円・扶養親族2人・障害のある子ども1人(特別児童扶養手当2級に該当)の場合

制度月額
特別児童扶養手当(2級)38,930円
児童手当(3歳以上)10,000円
※障害児福祉手当に該当する場合+16,560円
合計(手当のみ)約49,000〜65,000円/月

※金額は令和8年度の制度に基づく概算です。所得制限や障害の程度によって異なります。 自治体独自の手当がさらに上乗せされる場合もあります。

制度を組み合わせれば、かなりの部分がカバーできます

障害のある子の育児には確かにお金がかかりますが、日本には多くの支援制度があります。 療育費の上限制度、医療費の助成、教育費の補助、そして各種手当。 これらを正しく組み合わせれば、自己負担はかなり抑えられます。 まずは今使える制度を一つずつ確認していきましょう。

急な出費で困ったときは、社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付制度」も選択肢の一つです。 障害者世帯は低金利(または無利子)で医療費・教育費等の貸付を受けられます。

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