やさしい窓口障害のある子どもが利用できる制度・手当ガイド
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レスパイトケア・ショートステイ

障害のある子どもの介護は24時間365日続きます。 保護者が体調を崩したとき、用事があるとき、あるいは休息が必要なとき。 子どもを安心して預けられるサービスがレスパイトケアです。

レスパイトケアとは

レスパイト(respite)は「休息」「息抜き」という意味です。 障害のある子どもを一時的に預けることで、家族(主に保護者)が休息をとるためのサービスの総称です。

制度としては「短期入所(ショートステイ)」と「日中一時支援」の2つが主な選択肢です。 どちらも受給者証があれば利用できます。

短期入所(ショートステイ)

施設に宿泊で預けるサービスです。夜間の介護も施設が行います。 原則として連続30日以内の利用が上限です。

福祉型
障害者支援施設や障害児入所施設で行う。入浴・排泄・食事の介護が中心。
医療型
病院や診療所に併設された施設で行う。医療的ケア(たん吸引、経管栄養等)が必要な子ども向け。

補足: 連続30日を超えて利用が必要な場合は、一度利用を中断し、再度利用を開始する方法がとられることもあります。 長期的な利用が見込まれる場合は、相談支援専門員に相談してください。

日中一時支援(日帰り預かり)

宿泊を伴わず、日中の時間帯に子どもを預けるサービスです。 市区町村の地域生活支援事業として実施されています。

利用時間
数時間〜1日(自治体・事業所によって異なる)
実施場所
放課後等デイサービス事業所、障害者支援施設などが兼ねて実施する場合が多い
特徴
短期入所に比べて利用のハードルが低く、「数時間だけ預けたい」というニーズに対応しやすい。 ただし、利用条件や費用は自治体ごとに異なる。

利用できるケース

「理由がないと使えない」と思われがちですが、保護者のリフレッシュ目的でも利用できます。 代表的な利用ケースは以下のとおりです。

  • 保護者の病気・入院
  • 出産前後の入院・療養
  • 冠婚葬祭への出席
  • 家族の介護
  • きょうだいの学校行事
  • 保護者のリフレッシュ・休息

費用

短期入所は障害福祉サービスのため、利用者負担は原則1割です。 さらに世帯の所得に応じた月額上限があり、上限を超えた分は自己負担がかかりません。 食費・光熱水費などの実費は別途自己負担です。

所得区分月額上限額
生活保護世帯0円
住民税非課税世帯(低所得)0円
住民税課税世帯(一般1)(年収約890万円未満)4,600円
住民税課税世帯(一般2)(年収約890万円以上)37,200円

※日中一時支援は市区町村の地域生活支援事業のため、費用の設定は自治体ごとに異なります。 1回あたり数百円〜2,000円程度の自己負担が一般的です。

申請の流れ

1. 相談
市区町村の障害福祉課に相談する。相談支援専門員がいる場合はそちらでも可。
2. 受給者証の取得
障害福祉サービスの受給者証がまだなければ申請する。障害支援区分の認定調査が必要な場合がある。
3. 事業所を探す
短期入所・日中一時支援を行っている事業所を探し、見学・面談する。WAM NETや自治体の事業所一覧が参考になる。
4. 契約・利用開始
事業所と利用契約を結び、利用日を予約する。初回は慣らし利用をする事業所もある。

空きが少ない現状と対策

短期入所は全国的に事業所数が少なく、希望する日に利用できないことが多いのが現状です。 特に土日祝日、年末年始、夏休み期間は予約が集中します。 「使いたいときに使えない」状況を避けるためには、事前の準備が重要です。

  • 利用が見込まれる前に、早めに受給者証を取得しておく
  • 複数の事業所に登録しておく(1か所だけだと空きがないときに困る)
  • 定期利用(月1回など)を入れておくと、緊急時にも対応してもらいやすい
  • 緊急時の受け入れに対応している事業所を事前に確認しておく
  • 相談支援専門員に空き情報を聞く

医療的ケア児の受入れ問題

たん吸引、経管栄養、人工呼吸器の管理などの医療的ケアが必要な子どもは、 福祉型の短期入所では対応できないことがほとんどです。 医療型の短期入所を行う事業所は全国的にさらに少なく、地域によっては選択肢がないケースもあります。

医療型短期入所
病院や診療所に併設された施設で、看護師や医師のもとで預かる。 対応できる施設は限られるが、令和3年の「医療的ケア児支援法」施行以降、徐々に整備が進んでいる。
医療的ケア児等コーディネーター
各都道府県に配置が進められている専門の相談員。 医療的ケア児の預け先探しに困ったときは、まずこのコーディネーターに相談するのが有効。