小学校の選択肢と就学相談の流れ
障害のある子の小学校入学には4つの選択肢があります。 就学相談を経て決定しますが、保護者の意向は最大限尊重されます。 入学後の転学も可能です。
4つの選択肢
集団生活にある程度適応できる子。軽度の発達障害(ADHD、ASD、LD等)の子も多数在籍
35人(2025年度に全学年で完全移行)
担任1人 + 支援員(自治体による)
学習指導要領に基づく標準カリキュラム。個別の指導計画は原則なし
- +同世代の子と一緒に学べる(社会性の発達)
- +学区の学校に通える
- +進路選択の幅が広い
- -1人の教員で35人を指導 — 個別対応が難しい
- -授業についていけない場合、自己肯定感が下がるリスク
- -いじめ・孤立のリスク
通常学級での学習に概ね参加でき、一部の指導が必要な子。言語障害、ASD、LD、ADHD、弱視、難聴等
通常学級に在籍(35人)、通級指導は個別〜数人
通級担当教員(児童13人に1人)。自校通級と他校通級がある
通常学級の教育課程 + 週1〜8時間の個別指導(自立活動)。個別の指導計画を作成
- +通常学級の籍のまま専門的な指導を受けられる
- +友人関係・学校生活を維持できる
- +進路への影響が少ない
- -週数時間の指導では効果が限定的な場合がある
- -他校通級の場合、移動の負担がある
- -通級の時間は通常授業を抜ける
少人数での指導が適している子。知的障害、肢体不自由、病弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の7種別
上限8人(平均3人)
1学級に1〜2人(補助員含む)
個別の教育支援計画・指導計画を作成。下学年の教科書も使用可。通常学級との交流あり(交流級)
- +少人数で個別のペースに合わせた学習が可能
- +通常学級との交流で社会性も育てられる
- +地域の学校に通える
- -学校・教員によって指導の質にばらつきがある
- -在籍者数の急増で教室・教員が不足気味
- -教員が特別支援の専門免許を持っていない場合がある
障害の程度が比較的重い子。視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の5種別
上限6人(重複障害は3人)、平均3人
1学級に教員2人程度。看護師・理学療法士等の専門スタッフも配置
特別支援学校学習指導要領に基づく。自立活動が中核。高等部まで一貫教育。訪問教育も
- +最も手厚い教員配置と専門的な指導
- +施設・設備が充実(バリアフリー、感覚室等)
- +スクールバスでの送迎
- +高等部まで一貫した教育
- -定型発達の子との交流機会が限られる
- -通学距離が長くなる場合がある
- -教室不足が深刻(全国で3,359教室が不足)
- -通常学級への転学のハードルが高い場合がある
就学相談の流れ
小学校入学の前年(年長)から、市区町村の教育委員会で就学相談が始まります。
市区町村の教育委員会が窓口。保育園・幼稚園の担任や療育機関からの情報も事前に整理しておく
WISC-V、田中ビネー等の知能検査を実施。医師の診断書・意見書、園での様子、生育歴も判断材料になる
特別支援学級や特別支援学校を実際に見学。お子さんを連れて行くことで、合う環境かどうかを判断しやすくなる
検査結果、面談内容、行動観察、保護者の意向を総合的に判断。保護者の意見は最大限尊重される
判定結果が通知される。保護者の希望と異なる場合は再度面談が行われる
就学先が正式に決定。入学準備が始まる
保護者の意向はどこまで反映されるか
2013年の法改正により、就学先の決定は「障害の程度で自動的に振り分け」から「本人・保護者の意見を最大限尊重した総合判断」に変わりました。
判定結果と保護者の希望が異なる場合は再度面談が行われます。 最終的には教育委員会が決定権を持ちますが、保護者の意向に反する決定は実際には少ないです。
入学後の転学について
通常学級→特別支援学級、特別支援学級→通常学級、特別支援学校→小学校など、 子どもの発達や状況に応じた転学は制度上可能です。