やさしい窓口障害のある子どもが利用できる制度・手当ガイド
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高校の選択肢

高校は義務教育ではないため入試があり、選択肢も多岐にわたります。 全日制だけでなく、通信制・定時制・特別支援学校・サポート校など8つの選択肢を比較します。

進学先年間費用入試高卒資格就労支援
全日制(公立)約12万学力試験
全日制(私立)50〜100万学校による
通信制25〜50万書類+面接
定時制約12万学校による
サポート校+通信制55〜150万面接中心
支援学校 高等部無料〜少額ほぼなし
高等特別支援学校無料〜少額倍率あり
高等専修学校30〜80万面接+書類指定校のみ

※ 特別支援学校高等部卒業は「高卒」とは別扱い。◎=非常に手厚い ○=あり △=限定的

各選択肢の詳細

1. 全日制高校(公立)年間約12万円
対象

学力試験に対応でき、集団での学校生活が可能な子

入試

学力試験あり(入試配慮制度の利用可)

卒業資格

高卒資格

ポイント
  • 入試で別室受験、時間延長、問題拡大、ルビ付与、ICT機器使用等の配慮を申請可能
  • 中学校を通じて事前に申請が必要(東京都は例年12月中旬が期限)
  • 高校での通級指導は2018年から制度化。公立高校の12.1%(423校)で実施

定員内不合格が全国で2,029人(2024年度)。東京・神奈川はゼロだが地域差が大きい

2. 全日制高校(私立)年間50〜100万円
対象

学校独自の支援体制を求める子

入試

学校により異なる(3教科のみ、面接重視型など柔軟な入試方式も)

卒業資格

高卒資格

ポイント
  • 少人数クラス(20〜30人)で個別対応がしやすい学校がある
  • 心理士・スクールカウンセラー常駐の学校がある
  • 教員の異動が少なく、継続的な関係が築ける

受入れ方針は学校ごとに大きく異なる。事前の学校見学・個別相談が必須

3. 通信制高校年間25〜50万円
対象

自分のペースで学びたい子。対人関係のストレスを減らしたい子

入試

書類選考+面接が中心。学力試験なしの学校も多い

卒業資格

高卒資格

ポイント
  • 毎日登校不要 — ネット型は年5〜7日のスクーリングのみ
  • 生徒数29万人(2024年度)、高校生の約11人に1人が通信制
  • N高等はメンター制度、Slack/Zoomで個別サポート
  • 修得卒業率96.5%(私立)

在籍期間が長期化しやすい。自己管理力が求められるため、サポート校との併用も検討

4. 定時制高校年間約12万円
対象

少人数で丁寧な指導を受けたい子。多様な背景の生徒と学びたい子

入試

学校により異なる

卒業資格

高卒資格

ポイント
  • 1クラス約20人の少人数制
  • 夜間が主流だが、昼間定時制・多部制も増加
  • 特別な支援を必要とする生徒が20.1%在籍
  • 修業年限は4年が標準(3年卒業可の学校もあり)

障害に特化した制度的支援は限定的だが、多様性を受容する校風がある

5. サポート校 + 通信制高校年間55〜150万円(サポート校+通信制の合計)
対象

通信制高校だけでは学習や生活面の管理が難しい子

入試

面接+書類選考が中心

卒業資格

高卒資格(通信制高校から取得)

ポイント
  • 通信制のレポート作成・スクーリング出席をサポートしてくれる民間施設
  • 心理カウンセラー常駐、SST(ソーシャルスキルトレーニング)提供校もある
  • 学研WILL学園(年約53〜79万円)、トライ式高等学院(年約91万円)など

就学支援金はサポート校には適用されない。費用は通信制と合算で高額になる

6. 特別支援学校 高等部(普通科)無料〜少額
対象

中度〜重度の障害がある子。生活・自立を重視した教育を受けたい子

入試

書類+面接+行動観察(原則全員入学)

卒業資格

特別支援学校高等部卒業(高卒とは別扱い)

ポイント
  • 1学級8人の少人数制。手厚い教員配置
  • 職業教育(清掃、軽作業、食品加工等)と現場実習が充実
  • 卒業後: 企業就労31.2%、福祉施設等60.7%、進学3.2%
  • 中学部からの内部進学が多い

高卒資格とは異なる扱い。大学受験資格は別途確認が必要

7. 高等特別支援学校(職業学科)無料〜少額
対象

軽度の知的障害があり、企業就労を目指す子

入試

適性検査(筆記)+面接+作業検査。倍率あり

卒業資格

特別支援学校高等部卒業

ポイント
  • 企業就労率は約90%以上 — 通常の支援学校高等部(31%)と比べて圧倒的に高い
  • 東京都は就業技術科5校+職能開発科7校と全国で最も充実
  • 永福学園1.08倍、南大沢学園1.53倍(2026年度入試)
  • 食品・流通・事務・清掃等のコースに分かれて実践的に学ぶ

倍率があるため不合格の可能性がある。入試対策が必要

8. 高等専修学校年間30〜80万円
対象

座学より実習が得意な子。職業資格を目指したい子

入試

学校により異なる(面接+書類が多い)

卒業資格

高卒資格は指定校のみ(技能連携校で高卒同時取得可の学校あり)

ポイント
  • 全国373校、約3.3万人が在籍
  • 生徒の約9%に発達障害がある(推計)
  • 実習中心のカリキュラムで、国家資格・検定取得を目指せる
  • 1クラス10〜20人程度の少人数制

高卒資格が出ない学校もある。技能連携校かどうかを確認

公立高校入試で受けられる配慮

配慮内容対象となる障害例
別室受検各種障害全般
試験時間の延長LD、書字障害、視覚障害
問題用紙・解答用紙の拡大視覚障害、書字障害
ルビ付与識字障害(ディスレクシア)
ICT機器(PC・タブレット)の使用書字障害、肢体不自由
代筆者・音読者の同行視覚障害、上肢障害

申請方法: 在籍中学校を通じて志望校へ事前申請。中学校で受けている支援内容が判断材料になる

先進事例: 神奈川県のインクルーシブ教育

神奈川県は全国で最も先進的にインクルーシブ教育を推進しています。

インクルーシブ教育実践推進校(18校)

知的障害のある生徒向けの特別な入学枠を設けた県立高校。 通常学級で一緒に学び、支援スタッフが配置される

クリエイティブスクール(5校)

内申点・学力テストなしで入学可能な県立高校。 不登校経験者や学力不振の生徒を幅広く受け入れ

東京都の高等特別支援学校(就業技術科・職能開発科)

軽度の知的障害がある生徒が企業就労を目指す専門コース。就労率約90%以上。

就業技術科(5校)

永福学園(1.08倍)、南大沢学園(1.53倍)、志村学園、水元小合学園、青峰学園

職能開発科(7校)

青鳥、東久留米、足立、港、江東、練馬(2024年新設)、南多摩地区(2024年新設)

入試: 適性検査(筆記)+ 面接 + 作業検査。東京都教育委員会が出題方針を公開しており対策可能

特別支援学校高等部 卒業後の進路

31.2%
企業就労
60.7%
福祉施設等
3.2%
進学

職業学科(高等特別支援学校)は就労率約90%以上と、普通科と大きな差がある