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障害基礎年金ガイド

しょうがいきそねんきん

障害基礎年金は、障害のある方が20歳から受け取れる国の年金制度です。 お子さんが20歳前から障害がある場合、年金保険料を払っていなくても受給できます。 特別児童扶養手当の「次の制度」として、18歳のうちから準備を始めましょう。

💰 障害基礎年金とは

病気やけがで一定の障害の状態にある方に、国から支給される年金です。 通常の年金は保険料を納めた期間に応じて支給されますが、20歳前から障害のある方には特例があります。

20歳前障害の特例
20歳になる前に初診日(はじめて医療機関を受診した日)がある場合、 年金保険料を納めていなくても障害基礎年金を受け取ることができます。 生まれつきの障害や、子どもの頃に発症した障害が対象です。
年金額(令和8年度)
1級(重度)
年額 約103万円
月額 約86,000円
2級
年額 約80万円
月額 約67,000円

ポイント: 20歳前障害の場合は所得制限があります(本人の所得が対象)。ただし、多くのケースでは制限にかからずに受給できます。

📋 対象になる障害の程度

障害基礎年金の等級は1級と2級があります。障害者手帳の等級とは別の基準で認定されます。

1級 — 日常生活の用を弁ずることが著しく困難な状態
  • 他人の介助なしには日常生活がほぼ不可能
  • 身体障害者手帳1〜2級程度、療育手帳A程度が目安
  • 活動の範囲が寝室や病室内にほぼ限られる状態
2級 — 日常生活が著しい制限を受ける状態
  • 日常生活に多くの場面で支援が必要
  • 身体障害者手帳3級程度、療育手帳B程度、精神障害者保健福祉手帳2級程度が目安
  • 活動の範囲が家の中やその周辺にほぼ限られる状態

発達障害の場合: 発達障害(ASD・ADHD・LD等)でも、日常生活や社会生活に著しい制限がある場合は2級に認定されるケースがあります。 知的障害を伴わない場合でも、コミュニケーションや対人関係の困難さ、就労の制限などが総合的に評価されます。

📝 申請手続き

20歳の誕生日の前日から申請が可能です。市区町村の年金窓口で手続きします。

申請先
お住まいの市区町村の国民年金担当窓口(市役所・区役所の年金課など)
必要書類
  • 年金請求書
  • 診断書(年金用の指定様式。障害の種類ごとに書式が異なります)
  • 病歴・就労状況等申立書(びょうれき・しゅうろうじょうきょうとうもうしたてしょ)
  • 障害者手帳のコピー(あれば。必須ではありません)
  • 住民票、戸籍謄本
  • 預金通帳のコピー(年金の振込先)
診断書について
障害の種類ごとに専用の様式が定められています。精神の障害、肢体の障害、眼の障害など8種類あり、 該当する様式で主治医に作成してもらいます。日常生活での困難さが具体的に記載されることが重要です。

ポイント: 20歳の誕生日の前日が「受給権発生日」です。診断書は、その日前後3か月以内の現症日のものが必要です。 早めに主治医に相談し、診断書の作成を依頼しておきましょう。

👣 18歳までに準備しておくこと

20歳での申請をスムーズに進めるために、18歳頃から以下の準備を始めておくと安心です。

1. 初診日の証明を確保する

初診日(はじめて医療機関を受診した日)は年金の請求に必須の情報です。 カルテの保存期間は5年間のため、初診の医療機関に記録が残っているか早めに確認しましょう。 紹介状や診察券など、受診の記録になるものは保管しておいてください。

2. 病歴・就労状況等申立書の準備

お子さんの生育歴・通院歴・療育歴を時系列で整理しておきます。 出生時の状況、発達の様子、いつ・どの病院を受診したか、どんな支援を受けたかなど、 母子手帳や連絡帳を見ながら記録にまとめておくと、申請時の大きな助けになります。

3. 障害者手帳の取得

障害者手帳は年金の認定に必須ではありませんが、障害の程度を示す参考資料になります。 まだ取得していない場合は、18歳頃までに取得を検討してみてください。

4. 特別支援学校からの案内

特別支援学校に通っている場合、卒業前後に学校から障害基礎年金の手続きについて案内があることが多いです。 ただし、すべてのケースで案内があるとは限りません。学校任せにせず、自分でも準備を進めておくと安心です。

🔄 特別児童扶養手当との関係

特別児童扶養手当は20歳未満が対象、障害基礎年金は20歳からの制度です。 お子さんが20歳になると特別児童扶養手当は終了し、障害基礎年金に「移行」するイメージです。 金額は障害基礎年金のほうが多くなります。

特別児童扶養手当障害基礎年金
制度名特別児童扶養手当障害基礎年金
対象年齢20歳未満20歳以上
受給者保護者本人
1級の金額月額 58,450円(年額 約70万円)月額 約86,000円(年額 約103万円)
2級の金額月額 38,930円(年額 約47万円)月額 約67,000円(年額 約80万円)
所得制限保護者の所得本人の所得(20歳前障害の場合)

ポイント: 特別児童扶養手当は保護者が受給者ですが、障害基礎年金はお子さん本人が受給者になります。 20歳を境に受給者が変わることを覚えておきましょう。

⚠️ 注意点

所得制限(20歳前障害の場合)

20歳前に初診日がある場合は、本人の所得が一定額を超えると年金が減額・停止されます。 扶養親族がいない場合の目安は以下のとおりです。

本人の所得支給への影響
370.4万円以下全額支給
370.4万円超〜472.1万円以下半額停止
472.1万円超全額停止

※扶養親族が増えると限度額も上がります。所得制限は本人の所得が対象であり、保護者の所得は関係ありません。

就労していても受給可能

障害基礎年金は、働いていても受給できます。「障害の程度」で判断されるため、 就労しているという理由だけで不支給になることはありません。 ただし、就労状況は障害の程度を判断する材料のひとつとして考慮されます。

更新(有期認定)がある

障害の種類や状態によって、1〜5年ごとに「障害状態確認届」(診断書)の提出が求められます。 提出期限までに届出を行わないと年金が一時停止されるため、更新時期を忘れないようにしましょう。 永久認定(更新不要)となるケースもあります。

まとめ:20歳を見据えて早めの準備を

  • 障害基礎年金は20歳から受給できる。20歳前障害なら保険料の納付は不要
  • 年金額は1級で年約103万円、2級で年約80万円。特別児童扶養手当より金額が大きい
  • 18歳頃から初診日の確認・病歴の整理など準備を始めておくとスムーズ
  • 発達障害を含め、日常生活に制限があれば対象になる可能性がある
  • 申請は市区町村の年金窓口。診断書の内容が認定のカギになる