母子父子寡婦福祉資金貸付金
ひとり親家庭の親・児童・寡婦に対する教育・事業・生活資金の貸付制度(無利子または低利子)。
金額・負担額
資金種別により異なる(修学資金は月額数万円、事業開始資金は上限300万円等、全12種類)
- 対象
- 20歳未満の子を扶養するひとり親家庭の親・子、または寡婦(配偶者のない女子で過去に母子家庭だった方)。
- 申請先
- 都道府県・政令指定都市・中核市の福祉事務所
- 必要書類
- 申請書、戸籍謄本、住民票、所得証明書、借用理由の証明書類、連帯保証人の資料等
- 注意事項
- 12種類の資金(修学・事業開始・生活・住宅・転宅・就職支度等)。返済義務あり。無利子または年1.0%の低利子。
あなたは対象?
お子さんの状況に該当する項目をご確認ください。
- 対象
ひとり親家庭で20歳未満のお子さんを扶養中
親・お子さん名義で12種類の資金を利用可能
- 対象
過去にひとり親家庭の母だった寡婦(女性)
所得制限あり(年間所得203.6万円以下)
- 対象外
返済の見通しが立たない
返済能力審査で不可の可能性。給付系を優先
- 対象外
事実婚または再婚後
貸付対象外(貸付期間中の再婚は返済継続可)
この制度をくわしく
この制度とは
ひとり親家庭(母子・父子)の親・お子さん、または寡婦に対して、教育・事業・生活資金を低金利(または無利子)で貸し付ける国の制度です。返済義務のある「貸付」ですが、市中の銀行ローンと比べて非常に有利な条件設定です。
名称が長いため「母子寡婦貸付」「母子父子貸付」と略されることもあります。
生活福祉資金貸付制度との違い
似た貸付制度に「生活福祉資金貸付制度(障害者世帯)」があります。ひとり親で障害のあるお子さんを育てている場合は、どちらも対象になるため使い分けを検討してください。
| 項目 | 母子父子寡婦福祉資金(このページ) | 生活福祉資金貸付 |
|---|---|---|
| 対象 | ひとり親家庭・寡婦 | 低所得・障害者・高齢者世帯 |
| 金利 | 無利子 or 年1.0% | 無利子 or 年1.5% |
| 資金種別 | 12種類 | 5区分 |
| 窓口 | 都道府県・政令市・中核市の福祉事務所 | 市区町村の社会福祉協議会 |
| 返済期間 | 資金により最長20年 | 資金により最長20年 |
金利で比較すると母子父子寡婦の方が優遇(0.5%差)です。ひとり親+障害のある子ども世帯はこちらを優先検討してください。
12種類の資金と限度額(2026年度)
12種類の資金が用途ごとに設けられています。主要なものを整理します。
お子さんの教育・就学関連
| 資金種別 | 対象 | 限度額(目安) | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 修学資金 | お子さんの高校・大学等の授業料 | 月額 高校 27,000円 / 大学 146,000円 | 20年以内 |
| 修業資金 | お子さんの就業に必要な知識・技能習得 | 月額 68,000円(特別 460,000円) | 20年以内 |
| 就学支度資金 | お子さんの入学準備費用 | 小学校 64,300円 / 大学 590,000円 | 20年以内 |
| 就職支度資金 | 就職に必要な被服等 | 100,000円(通勤用自動車等特別 340,000円) | 6年以内 |
親の自立・生活
| 資金種別 | 対象 | 限度額(目安) | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 事業開始資金 | 事業を開始するための費用 | 3,260,000円 | 7年以内 |
| 事業継続資金 | 継続する事業の運転資金 | 1,630,000円 | 7年以内 |
| 技能習得資金 | 親の技能習得に必要な授業料等 | 月額 68,000円(特別 460,000円) | 20年以内 |
| 生活資金 | 技能習得中・医療介護中・失業中等の生活費 | 月額 105,000円 | 20年以内 |
住宅・生活基盤
| 資金種別 | 対象 | 限度額(目安) | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 住宅資金 | 住宅の新築・購入・増改築等 | 1,500,000円(特別 2,000,000円) | 7年以内(特別 6年) |
| 転宅資金 | 転居費用 | 260,000円 | 3年以内 |
| 医療介護資金 | 医療・介護を受けるための費用 | 医療 340,000円 / 介護 500,000円 | 5年以内 |
| 結婚資金 | お子さんの結婚費用 | 300,000円 | 5年以内 |
金利(2026年度)
資金種別と連帯保証人の有無で金利が決まります。
| 資金種別 | 連帯保証人あり | 連帯保証人なし |
|---|---|---|
| 修学資金・修業資金・就学支度資金・就職支度資金 | 無利子 | 無利子 |
| 事業開始資金・事業継続資金 | 無利子 | 年1.0% |
| 住宅資金・転宅資金・生活資金・結婚資金・技能習得資金・医療介護資金 | 無利子 | 年1.0% |
お子さんの教育関連の資金は連帯保証人がなくても無利子で借りられます。銀行の教育ローン(年2〜4%)と比べて圧倒的に有利です。
対象者
以下のいずれかに該当する方が対象です。
母子家庭の母・父子家庭の父
- 配偶者のない女子・男子で、現に20歳未満のお子さんを扶養している方
寡婦
- 配偶者のない女子で、過去に母子家庭の母だった方(お子さんが成年に達した後も対象)
- 一定の所得制限あり
ひとり親家庭のお子さん(20歳未満)
- 修学資金・就学支度資金等を、お子さん本人名義で借りることも可能
所得制限
原則、寡婦の場合のみ所得制限があります。母子・父子家庭の場合は所得制限なし。
寡婦の所得制限
- 年間所得 2,036,000円以下(扶養親族なしの場合)
母子・父子家庭の親については所得制限はありませんが、返済能力の審査があります。
他の教育支援制度との比較
お子さんの教育費が目的の場合、以下の選択肢があります。
| 制度 | 形態 | 返還義務 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 母子父子寡婦 修学資金(このページ) | 貸付 | あり(無利子) | ひとり親家庭 |
| 高等学校等就学支援金 | 給付 | なし | 世帯年収910万円未満 |
| 高校生等奨学給付金 | 給付 | なし | 住民税非課税世帯 |
| 日本学生支援機構(給付型) | 給付 | なし | 所得基準による |
| 日本学生支援機構(貸付型) | 貸付 | あり(低金利) | 所得基準による |
まず給付型(返還不要)を活用し、不足分を貸付で補うのが一般的な順序です。
他の貸付との併用
- 生活福祉資金貸付: 併用可能(ただし生活福祉資金側が「他の貸付を使えない方」が条件のため実質難しい)
- 日本学生支援機構の奨学金: 併用可能
- 銀行の教育ローン: 併用可能(ただし本制度が優先)
申請窓口
都道府県・政令指定都市・中核市の福祉事務所(母子父子支援担当)が窓口です。市区町村の社会福祉協議会ではない点に注意してください。
具体的な窓口
- 政令市・中核市にお住まい: 市の福祉事務所
- それ以外の市町村: 県(または都道府県)の福祉事務所・保健福祉事務所
連帯保証人について
連帯保証人がいれば多くの資金が無利子になります。お子さん名義の修学資金等は親が連帯保証人になるのが一般的です。
- お子さん名義の場合: 親が連帯保証人
- 親名義の場合: 親族または知人が連帯保証人
連帯保証人が立てられない場合も、教育関連資金以外は年1.0%の低金利で借りられます。
こんな場合はどうなる
- 20歳以上のお子さんの教育費: 寡婦として借りる or お子さん本人名義で日本学生支援機構奨学金
- 事業を開始したい: 事業開始資金(上限326万円)を検討
- 引越しをしたい: 転宅資金(26万円)
- 医療費で足りない: 医療介護資金(34万円)
- 返済が困難になった: 福祉事務所に早めに相談(返済猶予・減額償還の制度あり)
- 再婚した: 貸付期間中でも返済継続。以降の新規申請は不可
申請の手順
- 1都道府県・政令指定都市・中核市の福祉事務所(母子父子支援担当)に事前相談
- 2必要書類(申請書・戸籍謄本・住民票・所得証明書・借用理由の証明書類等)を準備
- 3連帯保証人が必要な資金は連帯保証人の資料も用意
- 4窓口で貸付申請書を提出
- 5都道府県の審査(3〜4週間)
- 6承認されると貸付金が振込。修学資金等は毎月振込、一時金は一括振込
知っておくと役立つこと
- ●修学資金・就学支度資金等の教育関連は連帯保証人なしでも無利子です。金利面では銀行ローンより圧倒的に有利です
- ●給付系(高等学校等就学支援金・奨学給付金等)を先に活用し、不足分をこの貸付で補うのが一般的です
- ●窓口は市区町村ではなく都道府県・政令市・中核市の福祉事務所です。社会福祉協議会と間違えやすいので注意してください
- ●事業開始資金(上限326万円)は無利子で、ひとり親の自立支援に有効です
- ●返済が困難になったら早めに福祉事務所に相談を。返済猶予・減額償還等の制度があります
- ●寡婦は配偶者のない女性で過去にひとり親家庭だった方が対象。所得制限(年間所得203.6万円以下)があります
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