訪問看護(医療保険)
医療的ケアが必要なお子さんの自宅に訪問看護師が訪問し、医療的ケア・療養支援・家族への指導等を提供します。
金額・負担額
医療保険の自己負担分(多くの自治体ではこども医療費助成で軽減・無料)
- 対象
- 主治医が訪問看護指示書を交付するお子さん(医療的ケアが必要な方、退院後の療養支援が必要な方等)。
- 申請先
- 訪問看護ステーション(主治医の紹介・指示書が必要)
- 必要書類
- 訪問看護指示書、健康保険証、医療受給者証
- 注意事項
- 医療保険での訪問看護。障害者総合支援法の居宅介護とは別制度。乳幼児加算・小児患者加算等の算定あり。小児対応の訪問看護ステーションは地域差あり。
あなたは対象?
お子さんの状況に該当する項目をご確認ください。
- 対象
主治医が訪問看護指示書を発行した医療的ケアが必要なお子さん
訪問看護ステーションと契約。医療保険適用
- 自治体による
医療的ケアが必要だが主治医が指示書を出さない
在宅療養の必要性を主治医に相談。セカンドオピニオンも
- 対象外
軽度の障害で医療的ケアなし
訪問看護の対象外。障害者総合支援法の居宅介護等を検討
この制度をくわしく
この制度とは
医療的ケアが必要なお子さんの自宅に訪問看護師が定期訪問し、医療的ケア・療養支援・家族への指導等を提供する医療保険のサービスです。主治医の「訪問看護指示書」に基づき、訪問看護ステーションから看護師が派遣されます。
在宅医療・在宅療養の中核サービスで、医療的ケアの必要な子ども・重症心身障害児の在宅生活に不可欠な制度です。医療保険での提供のため、自己負担は医療保険の3割分(多くの自治体では子ども医療費助成で軽減・無料)となります。
居宅介護(ヘルパー)との違い
似た在宅サービスに「居宅介護(ヘルパー)」がありますが、目的・根拠法が異なります。
| 項目 | 訪問看護(このページ) | 居宅介護(ヘルパー) |
|---|---|---|
| 根拠 | 健康保険法 | 障害者総合支援法 |
| 提供者 | 看護師・准看護師・理学療法士等 | 介護福祉士・ヘルパー |
| 内容 | 医療的ケア・療養支援 | 食事・入浴・排泄等の生活介護 |
| 指示 | 主治医の訪問看護指示書 | 市区町村の受給者証 |
| 費用 | 医療保険の3割(子ども医療費助成で軽減) | 障害福祉サービスの1割 |
医療的ケアがあるお子さんは訪問看護、生活介助が中心なら居宅介護と使い分けます。両者の併用が一般的です。
提供される医療的ケア・支援内容
訪問看護師が自宅で以下を提供します。
医療的ケア
- 喀痰吸引(口腔・鼻腔・気管内)
- 気管切開部のケア・ガーゼ交換
- 人工呼吸器の管理・回路交換
- 経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)の注入・カテーテル交換
- 酸素療法の管理
- 中心静脈栄養(IVH)の管理
- 服薬管理・薬剤調整
- 褥瘡(床ずれ)の処置
療養支援
- バイタルチェック(体温・血圧・呼吸等)
- 全身状態の観察
- リハビリテーション(PT・OT・STが訪問する場合)
- 入浴介助(医療的観点から)
家族への支援
- 医療的ケアの手順指導(家族が実施できるよう)
- 緊急時の対応方法の共有
- 精神的サポート・相談
- 主治医との連携・情報共有
「家族が医療的ケアを実施できるよう教育する」点が訪問看護師の重要な役割です。
訪問頻度・時間
お子さんの状態により異なりますが、医療保険上の基本ルールがあります。
基本の訪問回数
- 週3回まで(通常)
- 週4回以上可能(厚生労働大臣が定める状態等、重症心身障害児等)
- 訪問看護指示書に記載された範囲で実施
1回の訪問時間
- 30〜90分
- 特別訪問看護指示書で長時間訪問も可能
特別な指示
- 末期の悪性腫瘍
- 人工呼吸器使用
- 気管切開を伴う長期療養
- これらの状態では週4回以上・長時間の訪問が可能
費用(医療保険)
訪問看護は医療保険の扱いで、以下の自己負担があります。
通常の自己負担
| 対象 | 自己負担 |
|---|---|
| 未就学児 | 2割 |
| 6歳〜69歳 | 3割 |
| 70歳以上 | 1〜3割 |
子ども医療費助成との併用
多くの自治体で、子ども医療費助成と併用して実質自己負担0円になります。
高額療養費
月額上限を超えた分は高額療養費の対象。
小児加算・乳幼児加算
訪問看護には乳幼児加算・小児患者加算等があり、小児への手厚い対応が評価されています。
小児対応の訪問看護ステーション
小児への訪問看護は専門性が必要なため、対応可能なステーションは地域差があります。
小児対応ステーションの特徴
- 小児科経験のある看護師が在籍
- NICU退院児・重症心身障害児・医療的ケアの必要な子ども対応の実績
- 24時間対応体制を持つステーションが多い
- ST・OT・PTが在籍してリハビリも対応
探し方
- NICU退院時にソーシャルワーカー(MSW)が紹介
- 主治医が地域の訪問看護ステーションを紹介
- 医療的ケア児支援センターに相談
- 都道府県の訪問看護ステーション一覧で検索
- WAMネットで訪問看護ステーションを検索
訪問看護指示書の発行
訪問看護を利用するには、主治医の「訪問看護指示書」が必要です。
指示書発行の流れ
- 主治医に訪問看護の希望を伝える
- 主治医が訪問看護指示書を発行(有効期間6か月)
- 訪問看護ステーションに指示書を提出
- ステーションとお子さん・家族で契約
- 訪問看護開始
有効期間(6か月)ごとに更新が必要。主治医が継続発行します。
特別訪問看護指示書(長時間・毎日訪問可)
急性増悪・退院直後等の特別な状況では、特別訪問看護指示書により短期間(原則14日以内)の手厚い訪問が可能です。
- 原則14日以内
- 毎日訪問可能
- 複数回訪問可能
- 主治医の判断で発行
NICU退院直後の不安定期等に活用されます。
医療的ケアの必要な子どもの在宅支援パッケージ
訪問看護は、他の在宅支援と組み合わせて総合的な支援体制を作ります。
| サービス | 役割 | 頻度 |
|---|---|---|
| 訪問看護(このページ) | 医療的ケア・療養支援 | 週数回〜毎日 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 療育・発達支援 | 週2回程度 |
| 医療型短期入所 | レスパイト(宿泊) | 月数日 |
| 医療的ケア児等コーディネーター | 全体調整 | 随時 |
| 居宅介護(ヘルパー) | 生活介助 | 週数回 |
| 日中一時支援(医療型) | 日中の預かり | 随時 |
これらを組み合わせて、在宅でお子さんと家族が無理なく生活できる体制を作ります。
他制度との併用
- 居宅訪問型児童発達支援: 併用一般的
- 医療型短期入所: 併用一般的
- 子ども医療費助成: 併用で自己負担軽減
- 小児慢性特定疾病医療費助成: 併用可
- 高額療養費: 月額上限超過分の助成
- 障害児福祉手当・特別児童扶養手当: 独立した別制度、併給可
こんな場合はどうなる
- 小児対応ステーションがない: 医療的ケア児支援センターに相談、広域での調整
- 退院直後の手厚い支援: 特別訪問看護指示書で2週間毎日訪問可
- 訪問時間中に家族も休める: 訪問中は家族がレスパイト可能
- 訪問看護師が合わない: ステーションの変更可能(主治医と相談)
- 人工呼吸器使用: 週4回以上の訪問が保険適用可能
- 18歳を超えた: 成人の訪問看護(介護保険との併用も含む)に移行
申請の手順
- 1主治医に訪問看護の利用希望を伝える
- 2主治医が「訪問看護指示書」を発行(有効期間6か月)
- 3小児対応の訪問看護ステーションを探す(主治医・MSW・支援センター経由)
- 4訪問看護ステーションに指示書を提出、契約
- 5初回訪問でお子さんの状態・家族のニーズをアセスメント
- 6定期訪問開始(週数回、内容・頻度は指示書に基づく)
知っておくと役立つこと
- ●小児対応の訪問看護ステーションは地域差が大きいです。NICU退院時のMSWや医療的ケア児支援センターが最良の情報源です
- ●訪問看護指示書は6か月ごとの更新が必要です。主治医の定期受診時に更新を依頼してください
- ●子ども医療費助成と併用で実質自己負担0円になる自治体が多数です
- ●居宅訪問型児童発達支援と併用して、医療ケアと療育を両立できます
- ●24時間対応のステーションを選ぶと急変時も安心です。契約時に24時間体制の有無を確認してください
- ●特別訪問看護指示書で退院直後等の手厚い訪問が可能です(2週間毎日訪問)
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