心身障害者扶養共済制度
保護者が毎月掛金を納め、保護者が亡くなった後(または重度障害になった後)に、障害のある子に毎月年金が支給される制度です。
金額・負担額
加入者(保護者)が死亡等した場合、障害のある方に月額 20,000円(1口)または 40,000円(2口)を終身支給
- 対象
- 障害のある方(知的障害・身体障害1〜3級・精神障害等)の保護者で、加入時の年齢が65歳未満の方。
- 申請先
- 都道府県・政令指定都市の福祉担当窓口、または区市町村の福祉窓口
- 必要書類
- 加入申込書、障害のある方の障害者手帳等の写し、加入者(保護者)の健康状態の告知(加入等申込書に記載)、住民票
- 注意事項
- 2口まで加入可能。掛金は所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象。受け取る年金は非課税で、生活保護の収入認定からも除外されます。
あなたは対象?
お子さんの状況に該当する項目をご確認ください。
- 対象
障がい児を扶養する保護者が65歳未満で健康
加入時年齢で掛金が決まる。20年納付で以降免除
- 対象外
保護者が65歳以上
加入年齢上限を超えている
- 対象外
保護者の健康状態が条件を満たさない
告知審査に通らないと加入不可
この制度をくわしく
この制度とは
保護者が毎月掛金を納め、保護者が亡くなったあと(または重度障害になったあと)に、障がい児本人に終身で毎月年金が支給される公的制度です。いわゆる「親なきあと」の生活を支えるための仕組みで、独立行政法人福祉医療機構が運営しています。
受け取る年金は非課税で、生活保護を受給していても収入認定から除外されるため、他の制度との併用で大きな経済的支えになります。民間保険に比べて公的性が高く、加入年齢に応じた固定掛金・20年納付で免除される点も特徴です。
ぜんち共済(民間の障害者向け保険)との違い
同じ「障がい児向け」の保険・共済として混同されやすいため整理します。
| 項目 | 心身障害者扶養共済(このページ) | ぜんち共済 |
|---|---|---|
| 運営 | 独立行政法人(公的) | 民間(全国知的障害者共済会) |
| 加入者 | 保護者 | お子さん本人 |
| 目的 | 親なきあとのお子さん本人の生活保障 | お子さんの入院・賠償責任等 |
| 給付時期 | 保護者が死亡・重度障害時 | 入院・事故発生時 |
| 税制 | 掛金所得控除、給付非課税 | なし |
| 併用 | ぜんち共済と併用可能 | 心身障害者扶養共済と併用可能 |
両方加入するのが「親なきあと」への備えとして一般的です。目的が違うため重複せず、相互に補完します。
仕組み
保護者が毎月掛金を納め、保護者が死亡または重度障害になった時にお子さんへの年金給付が開始されます。
給付内容
- 1口: 月額 20,000円(終身支給)
- 2口まで加入可能: 最大 月額 40,000円
- 給付は障がい児が生存する限り続く
- 年金給付開始後は掛金の納付不要(給付のみ)
給付事由
- 加入者(保護者)の死亡
- 加入者が重度障害状態になった場合
掛金(月額・1口あたり、2026年度)
加入時の年齢で掛金が決まり、加入後は変動しません。
| 加入時年齢 | 月額掛金(1口) |
|---|---|
| 35歳未満 | 9,300円 |
| 35〜39歳 | 11,400円 |
| 40〜44歳 | 14,300円 |
| 45〜49歳 | 17,300円 |
| 50〜54歳 | 18,800円 |
| 55〜59歳 | 20,700円 |
| 60〜64歳 | 23,300円 |
20年納付で掛金免除
加入後20年間納付すると以降の掛金は免除されます。30歳で加入すれば50歳で納付完了、以降はかけずに給付を待つ形になります。
3つの大きな税制メリット
この制度の最大の特徴は、民間保険にない税制優遇です。
1. 掛金は全額所得控除
- 小規模企業共済等掛金控除の対象
- 年間掛金の全額が控除(例: 月10,000円なら年間120,000円)
- 所得税率20%なら年間24,000円の節税効果
- iDeCoと同じ控除枠(別枠のため重複計上可能)
2. 受け取る年金は非課税
- 税金は一切かからない
- 確定申告不要
3. 生活保護の収入認定から除外
- 生活保護を受給していても年金が減額されない
- お子さんが生活保護に入っても共済年金は満額受給
- 他の公的年金とはここが決定的に違います(通常の年金は生活保護費から差し引かれます)
加入できる保護者の要件
年齢
- 加入時65歳未満
- お子さんが成人する前に加入することが一般的
健康状態
- 加入時の健康告知あり
- 重度の病気・障害がある場合は加入できないことも
- 告知義務違反は契約無効の原因になる
対象となる障がい児
- 知的障害(療育手帳所持者)
- 身体障害者手帳 1〜3級
- 精神または身体に永続的な障害があり、上記と同程度と認められる方
- 精神障害者保健福祉手帳所持者(自治体により対応)
「永続的な障害」の定義は自治体により若干異なります。一般的に身体障害者手帳4級以下、療育手帳B(軽度)では対象外です。
他の選択肢との比較
「親なきあと」の備えには心身障害者扶養共済以外の選択肢もあります。
| 選択肢 | 特徴 | 月額目安(給付) |
|---|---|---|
| 心身障害者扶養共済 | 公的・非課税・生保認定除外 | 2万円(1口) |
| 民間生命保険 | 保険商品により多様 | プランによる |
| 信託制度 | 専門家の管理・柔軟な運用 | — |
| 個人年金保険 | 民間・税制優遇あり | プランによる |
| iDeCo | 老後資金(本人名義) | プランによる |
専門家(ファイナンシャルプランナー・社会福祉士・成年後見人等)と相談の上、複数の組み合わせで備えるのが一般的です。
掛金を払えなくなった場合
経済的に掛金を払えなくなった場合、以下の選択肢があります。
- 掛金の減額(2口→1口)
- 脱退: 脱退一時金が支給(ただし掛金総額より少額の場合あり)
- 掛金の減免(自治体独自の支援がある場合あり)
できる限り継続することを推奨いたします。20年納付すれば以降は免除されるため、長期での経済的負担は限定的です。
他制度との併用
- ぜんち共済: 併用可能(別目的のため重複せず補完)
- 障害基礎年金: 併用可能(年金給付に影響なし)
- 特別障害者手当: 併用可能
- 生活保護: 共済年金は収入認定除外のため、保護費減額なし
- 民間生命保険: 併用可能
こんな場合はどうなる
- 保護者が複数(両親とも加入したい): それぞれ別に契約可能(保護者1人あたり2口まで)
- 保護者の転居: 転居先の都道府県で継続(手続きあり)
- お子さんがお亡くなりになった: 契約解約、脱退一時金支給
- 保護者がお子さんより先にお亡くなりになった: 給付開始(終身)
- 保護者が加入後に障害になった: 重度障害認定で給付開始
- 加入審査で健康告知に通らない: 民間保険・信託・iDeCo等で代替策を検討
申請の手順
- 1都道府県・政令指定都市の福祉担当窓口、または区市町村の福祉窓口に相談
- 2加入申込書・障害者手帳の写し・住民票等を提出
- 3健康状態の告知(加入者に健康上の問題がある場合、加入できないことがある)
- 4審査・承認後、掛金の納付を開始(口座振替)
知っておくと役立つこと
- ●加入年齢が若いほど掛金が安い。早めの加入が経済的に有利
- ●20年間掛金を納付すると、以降は掛金免除で加入が継続される。30歳で加入すれば50歳で納付完了
- ●掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象。iDeCoと同じ控除枠
- ●転居しても転居先の都道府県で加入を継続できる
- ●途中で解約(脱退)すると脱退一時金が支給されるが、掛金総額より少ない場合がある。できるだけ継続すること
- ●民間の生命保険・信託と組み合わせて「親なきあと」の備えを検討するのがよい
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