所得税の障害者控除
確定申告または年末調整で障害者控除を申告すると、所得税・住民税が軽減されます。
金額・負担額
障害者控除: 27万円 / 特別障害者控除: 40万円 / 同居特別障害者: 75万円
- 対象
- 障害者手帳を持つ児童の保護者。
- 申請先
- 勤務先(年末調整)または税務署(確定申告)
- 必要書類
- 障害者手帳のコピー
あなたは対象?
お子さんの状況に該当する項目をご確認ください。
- 対象
障害者手帳(身体・療育・精神いずれか)を所持
控除額27万円(特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円)
- 自治体による
手帳はないが医師が「特別障害者に準ずる」と認定
市区町村長発行の「障害者控除対象者認定書」が必要(主に65歳以上向け)
- 対象外
手帳なし、医師の認定なし
この制度の対象外。他の控除(医療費控除等)を検討
この制度をくわしく
この制度とは
障がい児を扶養する保護者が、所得税・住民税の「障害者控除」を申告することで、所得税・住民税が軽減される国の税制優遇です。確定申告または年末調整で記載するだけで適用され、所得制限はありません。
年間8〜20万円の節税効果があるため、見落としたままの方は過去5年分まで遡って還付申告できます。これまで申告していなかった場合は税務署で相談してください。
3つの区分(控除額が大きく変わる)
同じ障害者控除でも、区分で控除額が大きく違います。
| 区分 | 所得税控除額 | 住民税控除額 | 対象の目安 |
|---|---|---|---|
| 一般障害者 | 27万円 | 26万円 | 身体3〜6級、療育B、精神2〜3級 |
| 特別障害者 | 40万円 | 30万円 | 身体1〜2級、療育A、精神1級 |
| 同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 | 特別障害者+同居扶養 |
同居特別障害者の控除額は非常に大きい点が重要です。障がい児を同居で扶養している保護者は、年間約20万円の節税になります。
節税効果の具体例(2026年度税率)
所得控除なので、課税所得に応じた税率をかけた金額が実際の節税額です。
所得税・住民税 合計の節税効果
| 課税所得 | 所得税率 | 一般障害者 | 特別障害者 | 同居特別障害者 |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 約3.95万円 | 約5万円 | 約9.05万円 |
| 330万円以下 | 10% | 約5.3万円 | 約7万円 | 約12.8万円 |
| 695万円以下 | 20% | 約8万円 | 約11万円 | 約20.3万円 |
| 900万円以下 | 23% | 約8.81万円 | 約12.2万円 | 約22.55万円 |
| 1800万円以下 | 33% | 約11.51万円 | 約16.2万円 | 約30.35万円 |
障害者控除は所得制限なしのため、高所得ほど節税効果が大きくなります。
対象となる手帳と区分
所得税法上の「障害者」の定義は細かく決まっています。
一般障害者に該当(控除27万円)
- 身体障害者手帳 3〜6級
- 療育手帳 B(中度・軽度)、B1、B2等(自治体判定)
- 精神障害者保健福祉手帳 2〜3級
- 戦傷病者手帳 特別項症以外
特別障害者に該当(控除40万円)
- 身体障害者手帳 1〜2級
- 療育手帳 A(最重度・重度)、マルA等
- 精神障害者保健福祉手帳 1級
- 特別児童扶養手当 1級
- 障害児福祉手当の受給者
- 特別障害者手当の受給者
- 戦傷病者手帳 特別項症・第1項症〜第3項症
- ねたきりで複雑な介護を要する状態(手帳なくても該当)
同居特別障害者に該当(控除75万円)
特別障害者に該当し、かつ納税者またはその配偶者・同居の親族と生計を共にし同居しているお子さん・ご家族
療育手帳判定と特児等級の関係(重要)
療育手帳が「B」(軽度・中度)でも、特別児童扶養手当1級を受給している場合は特別障害者控除が使える可能性があります。
- 療育手帳の判定と特児の認定は別基準
- 特児1級の受給実績があれば「特別障害者」該当として税務署に主張可能
- 税務署に証明書類を求められた場合、特児の認定通知書を提示
判定に迷ったら税務署に確認してください。
申請方法(年末調整が最も簡単)
年末調整で申告するのが一般的で手間が少ない方法です。
年末調整(給与所得者)
- 勤務先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を受け取る
- 「障害者」欄にチェック
- 手帳の種類・等級・交付年月日を記載
- 同居特別障害者の場合は該当欄にもチェック
- 勤務先に手帳のコピーを提出(提示のみでOKの勤務先もあり)
確定申告(自営業・年末調整対象外)
- 確定申告書の「障害者控除」欄に記載
- e-Tax・紙のいずれでも申告可能
- 手帳のコピーを添付または提示
過去分の還付申告
申告していなかった過去5年分まで遡って還付申告できます。
- 税務署に相談(事前予約推奨)
- 手帳のコピー・当時の源泉徴収票が必要
- 還付金は数万〜数十万円になることがあります
他制度との併用
- 扶養控除(16歳以上のお子さんがいる場合): 併用可能
- 医療費控除: 併用可能(医療費支出がある場合)
- 住宅ローン控除: 併用可能
- ふるさと納税: 併用可能
- 配偶者控除・特別配偶者控除: 併用可能
- 特別児童扶養手当・障害児福祉手当: 非課税収入のため所得に含めない
これらと重複計上しても問題ありません(それぞれ別目的の控除のため)。
こんな場合はどうなる
- 両親とも共働き: どちらか一方の扶養に入れて控除を受ける(通常は所得の高い方)
- お子さんが就労して扶養から外れた: その年度は扶養者が控除を受けられなくなる
- 手帳取得が年末: 12月31日時点で手帳を所持していれば、その年分から控除可
- 手帳更新で等級変更: 年末時点の等級で判定
- 同居していない場合: 別居でも「同一生計」で扶養なら一般または特別障害者として可能(同居特別障害者の75万円控除は同居必須)
- 扶養控除を両親で分けたい: 年末調整では片方のみ。確定申告では別の子を別々に扶養にできる
申請の手順
- 1【年末調整の場合】勤務先から配布される「扶養控除等(異動)申告書」の「障害者」欄にチェックを入れ、手帳の種類・等級を記載する
- 2【確定申告の場合】確定申告書の「障害者控除」欄に記載する(e-Taxでも可能)
- 3手帳のコピーを添付または提示する(年末調整では会社に提出、確定申告では税務署に提示)
知っておくと役立つこと
- ●年末調整で申告するのが最も簡単。扶養控除等申告書に記載するだけ
- ●過去5年分はさかのぼって還付申告ができる。これまで申告していなかった場合は税務署に相談
- ●療育手帳の判定が「B」でも特児手当1級なら特別障害者控除が使える場合がある(税務署に確認)
- ●特別障害者手当の受給者は「特別障害者」に該当するので控除額が大きい
- ●同居特別障害者の控除は非常に大きい(所得税75万円控除)。忘れずに申告すること
- ●障害者控除は所得制限なし。高所得者ほど税率が高いため節税効果も大きい
この制度と一緒に検討されることが多い制度
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