特定疾病療養受療証
血友病・人工透析が必要な慢性腎不全・抗ウイルス剤投与中のHIV感染症の方を対象に、医療機関での自己負担を月1万円までに軽減する健康保険の特例制度です。
金額・負担額
自己負担月額上限 1万円(人工透析で上位所得者は2万円)
- 対象
- 血友病、人工透析を必要とする慢性腎不全、抗ウイルス剤を投与中の後天性免疫不全症候群(HIV感染症)の方。
- 申請先
- 加入している健康保険の窓口(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村国民健康保険等)
- 必要書類
- 申請書、医師の意見書(対象疾病の確認)、健康保険証、マイナンバー
- 注意事項
- 対象疾病は限定的。上記3疾病以外の医療的ケア(人工呼吸器・経管栄養等)は対象外。小児慢性特定疾病医療費助成・自立支援医療・難病医療費助成等と併用を検討。
あなたは対象?
お子さんの状況に該当する項目をご確認ください。
- 対象
血友病・人工透析を必要とする慢性腎不全・HIV感染症のいずれかに該当
健康保険の受療証で月額上限1万円(一部2万円)
- 対象外
対象3疾病以外の慢性疾患
小児慢性・難病医療費助成・自立支援医療等を検討
- 対象外
人工呼吸器・経管栄養等の医療的ケアのみ
この制度は対象外。小児慢性・高額療養費等を検討
この制度をくわしく
この制度とは
健康保険の高額療養費制度の特例で、3つの指定疾病に限り医療費の自己負担を月1万円までに軽減する制度です。通常の高額療養費は所得に応じた月額上限(数万円〜数十万円)ですが、この制度は所得に関係なく月1万円上限という手厚い仕組みです。
対象疾病は非常に限定的で、以下の3疾病のみが対象です。
対象となる3疾病(限定列挙)
| 疾病 | 月額上限 |
|---|---|
| 血友病(先天性血液凝固因子障害) | 1万円 |
| 人工透析を必要とする慢性腎不全 | 1万円(上位所得者 2万円) |
| 抗ウイルス剤投与中のHIV感染症(後天性免疫不全症候群) | 1万円 |
上記3疾病以外は対象外です。例えば、人工呼吸器・経管栄養・気管切開等の医療的ケアは対象外ですので注意してください。
対象者の具体例
血友病のお子さん
- 凝固因子製剤(定期補充療法・出血時投与)の医療費が月10万円以上になるケースも多い
- この制度で月1万円上限となり負担が大幅軽減
- 血友病A(第VIII因子欠乏)・B(第IX因子欠乏)とも対象
- 後天性血友病も対象
慢性腎不全で人工透析
- 小児の腎不全でも対象
- 血液透析・腹膜透析とも対象
HIV感染症
- 抗ウイルス剤を継続投与している場合
- 母子感染等で発症した小児HIV患者も対象
費用負担(月額上限)
自己負担月額上限の詳細です。
血友病・HIV感染症
| 所得区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 全ての所得区分 | 10,000円 |
人工透析(慢性腎不全)
| 所得区分 | 月額上限 |
|---|---|
| 標準報酬月額53万円未満 | 10,000円 |
| 標準報酬月額53万円以上(上位所得者) | 20,000円 |
標準報酬月額53万円は、おおよそ年収700万円超に相当します。
他の医療費助成制度との比較
同じような医療費助成として、以下があります。
| 制度 | 月額上限 | 対象 |
|---|---|---|
| 特定疾病療養受療証(このページ) | 1〜2万円 | 血友病・人工透析・HIV |
| 小児慢性特定疾病医療費助成 | 1,250〜15,000円 | 801疾病(18歳未満) |
| 難病医療費助成 | 2,500〜30,000円 | 341疾病 |
| 自立支援医療(育成医療) | 0〜20,000円 | 身体障害治療 |
| 子ども医療費助成(自治体) | 0〜500円 | 全児童 |
選択・併用の考え方
- 対象疾病が該当するならこの制度が最も負担軽減(月1万円上限)
- 小児慢性特定疾病医療費助成とどちらが有利かは所得区分で変わる
- 非課税世帯等: 小児慢性の方が負担が少ない(月1,250円等)
- 一般所得以上: この制度の方が有利(月1万円)
- 他の制度と併用可能(より有利な制度が優先適用)
加入している健康保険別の申請窓口
健康保険の加入先により申請窓口が異なります。
| 加入保険 | 窓口 |
|---|---|
| 国民健康保険 | 市区町村の国保担当窓口 |
| 協会けんぽ(中小企業) | 都道府県の協会けんぽ支部 |
| 健康保険組合(大企業) | 勤務先の健康保険組合 |
| 共済組合(公務員) | 勤務先の共済組合 |
| 国民健康保険組合(医師会・建設国保等) | 各組合 |
加入先を保険証で確認してから、該当窓口に申請してください。
申請の流れ
- 主治医に「対象疾病に該当するか」を確認
- 主治医が「医師の意見書」を作成
- 加入健康保険の窓口に申請書・意見書・保険証・マイナンバーを提出
- 審査を経て「特定疾病療養受療証」が交付(1〜2か月)
- 医療機関の窓口で保険証と特定疾病療養受療証を提示
受療証を医療機関に提示することで、自動的に月額上限1万円(または2万円)で処理されます。
医療費は月ごと・医療機関ごと・入院外来別
月額上限1万円は月ごと・医療機関ごと・入院/外来別にそれぞれ適用されます。
- 同じ月に複数の医療機関を受診: 各医療機関で月1万円上限
- 同じ月に入院と外来: それぞれ月1万円上限
- 月をまたぐ: 月ごとにリセット
複数医療機関を利用する場合、実質の月額負担が高くなる可能性があります。
他制度との併用
- 高額療養費: 通常の高額療養費より手厚い(月額上限が低い)
- 子ども医療費助成: 併用可能(自治体により受療証使用後の1万円も助成対象)
- 小児慢性特定疾病医療費助成: 併用可(より有利な制度が優先)
- 難病医療費助成: 併用可能
- 自立支援医療: 血友病の一部治療は対象
こんな場合はどうなる
- 対象疾病に該当しない: この制度は対象外。小児慢性・難病等を検討
- 疾病が治癒した: 受療証の返却・更新不要の通知
- 転院・転医療機関: 受療証はそのまま使用可能(全国共通)
- 保険の切り替え(就職・転職等): 新しい保険で再申請
- 複数医療機関を利用: それぞれで月1万円上限が適用
申請の手順
- 1主治医に「特定疾病療養受療証の対象か」を確認
- 2主治医が「医師の意見書」を作成
- 3加入健康保険の窓口に申請書・意見書・保険証・マイナンバーを提出
- 4審査を経て「特定疾病療養受療証」が交付(1〜2か月)
- 5医療機関受診時に保険証と一緒に受療証を提示
知っておくと役立つこと
- ●対象疾病は血友病・人工透析・HIV感染症の3つのみです。人工呼吸器等の医療的ケアは対象外ですのでご注意ください
- ●月額上限1万円は所得に関係ないため、所得が高い世帯ほど負担軽減効果が大きいです
- ●小児慢性特定疾病医療費助成と併用可能です。非課税世帯は小児慢性の方が有利な場合もあります
- ●医療機関ごと・入院外来別にそれぞれ月1万円上限のため、複数医療機関利用時は実負担が増えます
- ●受療証は全国共通で使えます。転院・転医療機関でもそのまま使えます
- ●子ども医療費助成と併用で実質自己負担0円になる自治体もあります。窓口に確認してください
この制度と一緒に検討されることが多い制度
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